『1%の奇跡~アトピーから生き返った私の25年間』  明石 郁生

奇跡なんだろうか? どうして。

本を読んで、2つ気になりました。
ステロイドの使い方と、アトピー特有の乾燥肌が珍説(バクテリア説)で書かれていることです。この2つを見ていきたいと思います。

著者自身が経験したアトピーについて書かれています。現在、著者は自らアメリカで受けたアトピー『治療』を日本に紹介する仕事をされているようです。

本の内容は前半が生い立ち、後半がアメリカのアトピー『治療』について書かれています。本の表紙がなぜか著者のサーフィン姿で、所々に著者の詩が載っています。そのためでしょうか。図書館で借りた本ですが、文学コーナーに並んでいました。

 
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■著者の造語らしいのですが、ステロイドに2種類あるようです。
『身体に浸透するステロイド』、これが我々が日本で使われているもののようで、著者によれば悪いようです。l
では、その逆に『身体に浸透しないステロイド』、というものがあって、それが著者がアメリカで経験したもののようです。

このステロイドの考え方は、どういうものでしょうか。まず、一般的に考えてみましょう。
1つ目は、薬剤学の基本ですが、薬は身体に浸透するものですね。
浸透しないと薬は効きません。
2つ目は、著者が言う『身体に浸透しないステロイド』というのは、名前はどんなものか?
つまり具体的に商品名は何か?

■著者の言葉から、『身体に浸透しないステロイド』とはどういうものか見てみましょう。
以下の著者が言う、トリアムシノロンアセトニド、ハイドロ(ヒドロ)コルチゾンは、ステロイドの強さ5段階の中で4番目の強さ、ミディアム(マイルド)に当たるものです。(ただし著者はハイドロコルチゾンを最も穏やか、と考えているようです。)
また、著者の造語らしい「超ステロイド」という言葉も出てきますが、それはステロイドの強さ5段階の中で一番強い、例えば、クロベタゾールなどを言うようです。

・最も穏やかな効き目のものでは(例えばハイドロコルチゾン)は皮膚への浸透性は低く、また吸収されにくく、赤ちゃんの皮膚を含むどのような皮膚にでも頻繁かつ安全に使用することができます。(p172)
・『0.025~0.1%までの濃度のトリアムシノロンアセトニドなど(前出の「超ステロイド」より穏やか)、一般的「ステロイド」製品は、皮膚に深く浸透せず、身体に多量に吸収されません。したがって、それらは、アトピー性皮膚炎の治療において頻繁に安全に吸収されます。(p173)

『身体に浸透するステロイド』や『超ステロイド』を著者の造語らしい、と書きましたが、本々これは著者がアメリカ・オレゴンで診察を受けたドクター・マンソンの資料を日本語に訳したものを著者が使用しているようです。

■著者の本を再び見ていくと上記に書きましたが、著者がドクターマンソンからの資料の日本語訳として書いているものを、以下に孫引きとして引用します。
矛盾する点だと思うのですが、著者が言う一般的「ステロイド」、つまりミディアムクラスのステロイドを勧めていながら、ステロイドの内服を治療に使われているからです。外用に比べて、身体に浸透する使い方です。

・過去30年以上の間、アメリカ合衆国の数千人以上の患者がこれらの一般的「ステロイド」薬品によって効果的に安全に治療されています。適切な薬品を適切な方法で使うことが最も重要です。医師はこれらの貴重な製品の、適切で安全な治療を患者に教えなければなりません。注射、及び飲み薬の形式のコルティコステロイドは、アトピー性皮膚炎の治療において使用されます。
適切な使用での内服(注射および飲み薬)のコルティコステロイドは、安全にかゆみを止めて、かゆい→かきむしる→もっとかゆいの悪循環を抑えアトピー性の皮膚炎の症状を緩和し、そして皮膚に回復の時間を与えます。(p173)

次に、竹原和彦(金沢大学・皮膚科教授)の『間違いだらけのアトピー治療』(新潮社 2005年)を見てみましょう。ステロイド内服薬の使用する場合は、ステロイド外用薬が効果がない場合と書かれていますが、竹原ドクター自身、外用薬がまったく効果がない例に出会ったことがなく、ステロイド外用薬中心の方針を変えたことがない、とのことです。

ちなみに、日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎の治療ガイドラインにおいては、ステロイド内服薬の使用においては、一切述べられていない。すなわちステロイド内服薬は、ステロイド外用薬に比較してはるかに副作用が大きく安易に使用すべき薬ではないといえよう。(p114)

 
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■アトピー特有の乾燥肌について、このように著者が書いています。
・お風呂の後は比較的かゆみが治まることや温泉に行くとかゆみが落ち着くのも、外皮のバクテリアが一時的に落ちることが理由です。(p168)

このバクテリアというのは、著者が言うには、スタフォーラウスというそうです。どのようなものか見ていくと、ページによって綴り方が違っていて、また調べてみても分かりませんでした。
Staphavrues (p168)
Staphaureus (p175)
これは推測するに、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)のことではないかと思います。

■つまり、雑菌です。日常的にあるものです。アトピー患者でなくても、誰でも日常的に触れる機会のあるものです。
この雑菌は、アトピーが悪化する原因になり得るので、皮膚を清潔にすることが勧められています。古江増隆(九州大学・大学院・皮膚科教授)の『アトピー性皮膚炎 正しい治療がわかる本』(法研 2008年)にはこのように書かれています。

皮膚についている汗や皮脂、ホコリなどの汚れをそのままにしておくと、表面に雑菌が繁殖し、かゆみや炎症をおこす原因になります。毎日、シャワーを浴びたり、お風呂に入ったりして、皮膚を清潔にしておくことが大切です。(p113)

一方、ドクターマンソンの資料より、アトピーの定義を見てみます。
・アトピーとは、ある種のバクテリアを体内に取り入れてしまう体質をいいます。(p146)

■こう、考えられませんか?
お風呂に入るとかゆみが緩和するのは、乾燥肌が水分を得ているからではないでしょうか? 
黄色ブドウ球菌は、別にアトピー患者でなくても、誰でも取り入れるものですね。

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推測するに、ドクター・マンソンのアトピー「治療』というものは、ステロイド外用薬よりもはるかに強いステロイドの内服である飲み薬を飲む、注射する。そのことにより炎症は治まる。そして保湿剤の使い方はどうしているかは分かりませんが、ストロイドの内服薬と同様に、多量の薬を使うようです。
・「全然足りないよ、こうするんだ」と言ってドクターが実演してくれました。手にそのクリーム(「シールドクリーム」というもの)を取って私の腕に厚みが1センチほどたっぷりとのせました。(p126)

 
■本レビュー WAVE出版 (2006/9/15)
著者が運営する、アトピーアソシエイションジャパンの『治療』予約(こちら)を見ていると、およそ1か月近く時間をかけるそうです。ちなみに私がテキストとして使っている竹原和彦ドクターも重症のアトピーでも1か月もあれば、ステロイド外用薬を中心に最悪期から改善できるようです。竹原氏は、『アトピー性皮膚炎は、ありふれた皮膚疾患の1つで難病ではない。』(p21 同上・新潮社)と書かれています。

   
 

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コメント / トラックバック1件 to “『1%の奇跡~アトピーから生き返った私の25年間』  明石 郁生”

  1. アトピー 市販薬 Says:

    アトピー性皮膚炎の改善に使われるのがステロイド軟膏です。根本治療にはなりませんが、かゆみや炎症を抑える作用があるため、アトピー性皮膚炎の症状改善には有効です。ステロイドは別名、副腎皮質ホルモンと呼んだりします。ステロイドは皮膚科を受診して処方されるのが普通ですが、ネットを使って買うことも可能です。強力以下のレベルであれば楽天などでも買えますし、最強や非常に強力などの強いレベルのステロイド剤であっても、個人輸入という方法で購入することができます。海外から発送されるため商品が到着するまで少し時間がかかりますが、それ以外は普通のインターネット通販とほとんど同じです。

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