『間違いだらけのアトピー治療』 竹原和彦

私がテキストとしている竹原ドクター(金沢大学皮膚科教授)の本です。本を読んで付箋をつけた箇所がたくさんあります。まずこの本を読んで、私がさっそく実行したことが1つあります。

1月前の10月22日(木)に薬屋で白色ワセリンを買ってきて、ほぼ毎晩寝る前につけていましたが、昨晩から止めました。私の手指の皮膚荒れは、特に今は悩みはありませんので。ただし日本皮膚科学会の治療ガイドラインにはアトピー再発予防のためにスキンケアの必要性が書かれていますが、それをスベスベするまでに回復した皮膚にまで行う必要性を感じないというのが竹原ドクターの考えのようです。竹原ドクターの原則はこうで、またやりたい人は保湿を続けても特に問題はないようです。

正常の皮膚には保湿は不要で、軽症の皮膚に保湿薬入りの外用薬を使用するのが効果的な治療法。(p129)

まあ、例えまた皮膚荒れが起こっても早めに対策をすればいいので不便は感じません。私は前に書いたように、薬を使わない私自身のオマケの保湿方法を毎晩代わりに行うことにしました。
(補足 11/29のブログに訂正しましたが、引き続き保湿剤を使い続けることにしました。私は乾燥肌ですので皮膚に乾燥が見られれば使っていくことにします。)

アトピーの基本的な考え方が冒頭に書かれており、その中でアトピービジネスの論破が参考になりました。

アトピー性皮膚炎における体質改善を謳ったいろいろな治療法があります。しかしそれらは科学的根拠に基づくものではないのです。(p29)

また、アトピー性皮膚炎は、皮膚の表面においてのみ炎症が起こりかゆい湿疹が起こる病気である。何かが体の中からしみ出してきて起こる病気ではない。(p29)

私はアトピー性皮膚炎の治療を「火事の消火活動」に例えることが多いが、体質を変えて欲しいということは大火事になっている状態の家に大して、「外から火を消すよりも先に家の中に入って火事の原因を追究しないと本物の消火活動とはいえない」と主張しているようなものだ。(p29)

明瞭な論理立てだと思います。例えば昨日ご紹介した排泄不全説は一見もっともらしく、アトピー以外の他の疾患にもパッと見で説得力を持ちそうですが、科学的根拠は書かれておらず推測ですね。
著書の他のページにも書かれていますが、アトピーの特殊療法が本当に役立つものなら学会に発表されてそれがもう標準になっているはずですね。

私自身の関心事の1つは、今は私のアトピー性皮膚炎はブログ冒頭にも書いた通りですので、アトピー患者への商品の売り込み方法があります。それらは考えてみると医学的な適切さを欠いており、また例えそうであっても東洋医学の漢方や鍼灸のような西洋医学的説明がつきかねても(またそれらも玉石混合です。)ある程度の効果があるのならまあいいのですが、売らんかなの姿勢がありありと背後にあるものです。
 

■本レビュー  新潮社 (2005/10)

 
 

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