Archive for 2009年11月

ステロイドは使わない!アトピーはこうして治す 丹羽  正幸

11月 30, 2009

著者は外科医の経歴です。
タイトルにはストロイドを使わないと書いているので、全く使わないのかなと思ったらそうでもないようです。アトピーの炎症に対するためにステロイドは有用だと書いてあります。保湿剤を使いながら、整体やサプリメントまたは漢方などを用いることによって体質を改善しようと目指しているようです。

私が疑問に思うのは、アトピーの標準療法はステロイドで炎症を改善させて弱い皮膚を保湿剤で保護することだから、その他の効果はどうなのでしょうか?
 

■著書の中で、ステロイド外用薬を使う重要性を書かれていますし、ストロイドを急に止める事の注意も書かれています。例えば、日本皮膚科学会の『アトピー性皮膚炎治療ガイドライン』が、太字で引用されています。
アトピー性皮膚炎は遺伝的素因も含んだ多病因性の疾患であり、疾患そのものを完治させうる薬物療法はない。よって対症療法を行うことが原則となる。(p42)

著者自身がわざわざ引用を載せている部分には、アトピーになる原因は遺伝もあるのだということが書かれています。この部分には、著者が言う体質の改善とは矛盾しないのでしょうか?
竹原和彦ドクターの『間違いだらけのアトピー治療』(新潮社)には、こう書かれています。

そもそも、体質とは「遺伝的によって生まれつき規定されている人間の体の性質」であり、漢方薬や健康食品によって遺伝的に規定されているものが変更できるわけではないのである。(p28)

 
■整体についてですが、著者が行っているのは『丹羽式生體(せいたい)』というもので、体の歪みやねじれを治し体質の改善をしようとするものです。
著者が考えるには、骨格の・筋肉のゆがみが筋肉への血流障害への原因となり、そうして血行不良になる(p143)というのです。
私自身の経験になるのですが、某整体術でアトピーの皮膚炎の原因は体の歪みだと言われて無視できない時間と費用を費やして最終的には歪みを改善しましたし、筋肉の疲労も緩和させましたが、結局は特には効果を感じませんでした。歪みが改善しても皮膚炎はなくなりませんでした。
体が歪んでいる人みんながアトピーになるのではありませんので、これは私の推測になるのですが、歪みの原因として考えられることの1つにはある箇所の皮膚が炎症を起こしているので、身体を普段日常生活で動かす際に無意識にその箇所を気遣いながらの動きになってしまい、バランスよく動けないのではないかと。つまりまず最初にアトピーができて、その次に身体が歪んだり筋肉が疲労するのではないかという推測もできると思います。

 
■他にもアトピー患者へのアドバイスとして、ビタミンCをたくさんとる、保湿剤を使うにしても天然成分のものを使うなどもあります。
ビタミンCについては私は分かりませんが、これも私の経験ですがビタミンCの効能にシミを取るというものも薬屋で売っている商品パッケージにも書かれていますので、10年ほど前に顔にシミがある女性の皮膚科医に聞いてみたことあります。その方は『あれ、インチキ』と一言だけの回答でした。

高価な保湿剤はおいて置くとしても、アトピーの標準療法はステロイドと保湿剤を使った対症療法ですから、やはりそれを基本においたアトピー治療をするべきなのでしょう。

 
■本レビュー 青山書籍 (2004/12)
 
 
 
■ブログ補足
11/24(火)に、これまで主に1ヶ月間、夜寝る前に使っていた保湿剤の白色ワセリンをやめてみますと書きましたが、引き続きワセリンを使い続けることにしました。今、私の皮膚には痒みも炎症もありませんが、乾燥肌で手指の皮膚が部分的に乾燥します。ワセリン(100グラム500円ほどで買ったもの)はまだ多く残っていますし、ワセリンは他の保湿剤に比べてベタつきがあるのですが寝ているので気になりません。手袋をはめて寝ています。
 
  
 

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『アトピー性皮膚炎  正しい治療がわかる本』  古江増隆

11月 27, 2009

カラーのイラストがあり分かりやすく、適切にバランスよく書かれています。
この本もテキストとして使いたいと思います。

冒頭で、唐突ですがとお断りがあり、アトピーはアレルギー疾患ではないと書かれています。アトピーになる人はアレルギー体質の人が多いのは事実ですが、アトピーになる人の2割ほどはアレルギー体質でなくてもアトピーを発症するとのことです。

アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患というより、「なんらかの要因でおこる皮膚の病気で、アトピー素因がかかわる場合がある」というのが正しいのです。(p3)

ここでいうアトピー素因とは、アレルギー反応(血液検査)によって分かるアトピーになる要素ですが、持っている人が必ずしもアトピーになるとは限らないようです。こう書かれています。

とはいえ、アトピー素因を持っていても必ずアトピー性皮膚炎になるわけではありません。(p136)

冒頭は続き、アトピー性皮膚炎が起こる要因は、皮膚の弱さだと書かれています。皮膚が弱いため乾燥肌になり、それで炎症を起こし易いというのは私自身が体験したアトピーで実感します。

皮膚には外界の異物を体のなかに入れないようにする、あるいは体内の水分を外に出さないようにする「バリアー機能」が備わっています。たまたまそのバリア機能が弱い体質の人がいて、そういう人がアトピー性皮膚炎を発症してしまうのだと思います。(p4)

 
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基本は保湿、そしてステロイド外用薬による使用だと前半、本の半分ほどにわたり書かれています。ステロイド外用薬の量の目安が書かれていて、私は改めて初めて知ったのですが、ステロイドを塗っていても一向に長く改善しないという方は確認されると良いかと思います。

軟膏やクリームでは、チューブを絞って、大人の人さし指の先から第一関節まで押し出した量は、約0.5g。この量で大人の手2枚分(両手分)の広さが目安です。(p38)

保湿外用薬の使い方は、これも改めて私は知ったのですが、塗る前に皮膚を湿らせておくのがポイントだということです。
『シャワーや入浴のあと、5分以内』(p35)または、『入浴できないときは、霧吹きで皮膚にぬるま湯を吹きかけたり、市販の化粧水(刺激のないものを用いること)などをつけたりしたあとに塗る』(p35)
入浴した時に、アトピーの痒みがマシになっているのを感じませんか?

その原理を利用したのが、私がかつてから書いている今思えばステロイド外用薬を使わずにいささか無茶な方法で自身のアトピー性皮膚炎を治したのですが、皮膚を常時湿らすことだったのです。この方法も私は初めて知ったのですが、(外用薬と併用して使う方法として『ウェットラップ法』(p155)として存在していました。

ウェットラップ法とは、皮膚の保湿効果高める方法の1つで、皮膚のバリア機能の弱い重症・最重症の患者さんに行われることがあります。保湿外用薬やステロイド外用薬で治療をしているにもかかわらず強いかゆみがある場合、この治療を行うと、皮膚をかく回数が減るといわれています。やり方は、入浴して保湿外用薬やステロイド外用薬を塗ったあと、お湯かぬるま湯で湿らせた下着、手袋、靴下(衣類は包帯上の専用の布でできたもの)を着用します。その上から乾いた専用のを身につけて、2~3時間ほどその状態を保ちます。(p155)

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今、私は夜練る前に保湿として、薬を一切使わずこの方法をやっています。この方法は今までに私は知らなかったので、すごい発見だ!と実際どんどん回復していきますので驚いていました。私自身の経験からいえば、この方法は過小評価されているのではないかしら?と思ってしまいます。私自身はこの方法だけでは今のほぼ完治といっていい状態までには手指の皮膚炎は治らなかったものの、外用薬を使ったのはワセリンが今年1月(ひとつき)くらい、ステロイド外用薬が今年トータルで2~3回ほどしかありませんでした。

なぜ広まらないかと考えてみますと、まず私自身が劇的によく効いたとしても万人には当てはまらない可能性はありますが、誰も儲かりません。薬は売れません。儲からないものは宣伝されません。
アトピーに関するブログには、健康食品、化粧品などのアフィリエイト、あるいはブログランキングの宣伝でもありますがアトピー治療と称する情報商材を売り出しているものがあります。今、私がこのブログを書いていても何の儲けにもならないわけです。

振り返って、なんでこのアトピーに関するブログを書いているのかと言われると、自分でもよく分かりません。

 
■本レビュー  法研 (2008/10)
  
 

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『「アトピー」勝利の方程式』 菊池新

11月 26, 2009

著者は、アレルギー原因説になぜ傾倒しているのだろうか?殆どのページでアレルギー、あるいはその関連の免疫が書かれている。
もちろんアトピーの標準療法であるステロイド外用薬と保湿剤(スキンケア)についても書かれているのですが、その登場は読んでいって中頃であって、割いているのは10ページくらいです。

著者はアトピー治療として、4つをあげています。
・1つ目が『原因療法』で、こう書かれています。
『ここまでアトピーとは何か、アレルギーとは何かについて、我慢して読んできてくださった読者の方々にはもうおわかりだと思うが、アレルギーの元となる根本原因を解決することなしに、対症療法だけを継続していても、それは単なる治療の先延ばしでしかない。また対症療法だけでは、患者さんが満足できるような効果は望めない場合がほとんどである。』(p107)

・2つ目が『薬物療法』、だそうです。薬物とはステロイド外用薬のことかな?と思ったら、それは抗アレルギー薬だそうです。なぜならアトピーは『なかなか縁の切れぬ身の回りのアレルゲンに対するアレルギー反応だから』(p116)だそうです。

・3つ目が『対症療法』で、ステロイド外用薬が出てきます。炎症を止めるのにステロイドは大切だということは書かれていますが、目指すのは1つめの原因療法だそうです。『良心的な医師の治療は、アトピーに限らず、みな原因療法重視へと移行しつつある。』(p119)

・4つ目が『スキンケア』ですが、著者はアレルゲンに対してのものに重点を置いているようです。

 
一方、私がテキストとしている竹原和彦ドクターの『間違いだらけのアトピー治療』(新潮社 2005年)を見てみます。
・1つ目のアトピーの原因を見つけることは、アトピーの治療が火消しだから、火事になっている最中にその発火原因(体質)を探すようなもの、と書かれています。

私はアトピー性皮膚炎の治療を「火事の消火活動」に例えることが多いが、体質を変えて欲しいということは大火事になっている状態の家に対して、「外から火を消すよりも家に入って火事の原因を追究しないと本物の消火活動とはいえない」と主張しているようなものだ。(p29)

・2つ目の、抗アレルギー薬を用いる薬物療法ですが、日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎の診断基準およびガイドラインには、アトピー性皮膚炎が純粋なアレルギー疾患ではないとのことです。その記述は専門的ですので引用は省きますが、竹原ドクターが要約してこう書かれています。

すなわち、かみくだいて述べるとアレルギーではない単なる刺激反応とアレルギー反応の両者が原因として併記されているのである。(p55)

そして、こうも書かれています。

しかし(2つの原因はあるものの)、アトピー性皮膚炎の皮膚におけるすべての皮膚炎をアレルギー反応と短絡的に考えるのは明らかに誤っている。(p56)

・3つめの対症療法、これはアトピーの標準療法ですが、そうは考えない患者さんとのエピソードを竹原ドクターはこう書いています。

「対象療法ではなく根本療法しか望まない」そう勘違いして、ひきこもり等人生の大事な部分を失ってきた大勢の若者の説得に当たってきた私は患者さんに最後にこのように言う。「対症療法によって人間らしい生活に戻ることこそ、真の治療だよ」(p30)

・4つめのスキンケアでは、先に上げました日本皮膚科学会の治療ガイドラインにはこうあると紹介されています。要するに、炎症を防ぐ目的ということですね。

「ステロイド外用剤あるいはタクロリムス軟膏により炎症の鎮静が充分に得られた後に、乾燥およびバリアー機能の低下を補完し、炎症の再燃を予防する目的で、ステロイドあるいはタクロリムスを含まない外用剤でのスキンケアを行う必要がある」(p128)

 
アトピーとは少し見方を変えて、この本の編集でのバランスを見てみます。
著者は1章を割いて、アトピーと似て非なるものと書き、「金属アレルギー」について述べています。私は全く知らなかったのですが、それは症状がアトピーと似ているようです。その原因の殆どは歯科での詰め物の金属で起こるそうです。
この本の目的はアトピーですので、その歯科が原因らしい金属アレルギーはおまけだと思っていたのですが、一番最後の巻末で歯科医師がなぜか金属アレルギーについてのみ書かれています。アトピーについて書かれていないのはなぜでしょう?

また、巻頭と巻末(歯科医師の推薦文の前)に、著者がやっているランニングからアトピーをマラソンに例えています。どうやらマラソンのようにゴールに着くまで頑張って下さいとのことです。巻頭では忙しい合間を縫って沖縄で、巻頭の方では1日200~300人の患者さんを診ているので体力が必要だからスポーツジムで週に1、2度ランニングをしている話が出てきます。
アトピー患者が頑張ってアレルギーを基にした原因療法をやって治るのと、ランニングでゴールをする、それが著者にはカタルシスをイメージするのでしょう。感動っぽくなっているようです。
しかし私自身の経験からですが、私は自身で治したのでやることをやっただけで、アトピーの標準療法自体は機械的というイメージで淡々としていました。

他に印象に残ったのは、著者はアレルギー原因説をとる立場から、布団と空気清浄機を勧めています。著者が開業している医院のホームページを見てみましたが、特にお勧めの商品はそこには載っていませんでした。
本では1つずつ項目を説明する形式をとっており、その際に白衣を着たお兄さんぽいドクターのイラストがあって、著者が言いたかった要点がつけられています。それが一見、親しみが持てます。

 
■本レビュー  現代書林 (2006/10/3)
この本は市立図書館で借りたのですが、寄贈を記した1枚の出版社からの紙が挟んでいました。出版社から郵送で図書館に送ったのでしょうか。私は個人寄贈は知っていましたが、出版社からというのは初めて見ました。
  
 

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『アトピーの「かゆみ」が瞬時に消えた!』 佐藤 利夫

11月 25, 2009

著者は徳島文理大学、薬品製造化学教室の教授だった方です。この本が出されたのが10年近く前ですので、現在大学のホームページで見ると在籍されていませんので、おそらく定年退職されたのでしょう。 著者は他にもプロポリスなどの健康食品に関する一般書を出されているようです。

この本のテーマは著者が研究しているキトサンという物質です。キトサンは現在、国立健康・栄養研究所によると『「コレステロールの高い方または注意している方の食生活の改善に役立ちます」などの表示が許可された特定保健用食品』あるものの、他の効用、たとえば免疫や消化器系に関するヒトでの評価の文献がなく(動物実験ではあるのかもしれません)、またこの本が売りにしている皮膚に関してはその記述さえありませんでした。

キトサンが化粧品に配合されている商品がありましたが、不溶性のために著者はその効果に疑問を持っていたようです。著者が開発したのはこの本によると、キトサン自体は水には溶けないがそれを溶けるようにしたそうです。それがアクアキトサンで、自身の所属する大学の学生にも試したところ、アトピー性皮膚炎の学生がこのように言ったとのことです。

アクアキトサンの特許を申請する準備を始めた頃、ある女子学生が、「先生、わたしアトピーなんですけれど、これつけるとかゆみが止まりますね」といったのです。(p47)

それがきっかけでアトピーのかゆみ、ひいてはアトピーへの効果を謳っているようです。ただし、著者はアトピー標準療法に欠かせないステロイド(外用薬)に関しての知識はどうなんでしょうか?

抗アレルギーの薬に用いられるステロイド剤にも、多くの副作用が知られています。
この薬の成分である副腎皮質ホルモンは、本来ならば自然に身体が分泌するものですが、薬として外部から大量に入ってくると、このホルモンが足りていると身体が判断して、副腎が分泌を止めてしまいます。その結果、最近やウイルスに対する抵抗力が弱くなって、風邪をこじらせて肺炎や敗血症を引き起こしたり、骨折しやすくなったりするので、注意が必要です。とくに子供の場合は、発育障害を起こさないように気をつけなければなりません。(p119)

著者が書いているのは、かゆみはアレルギー反応の結果であり、アクアキトサンはそのアレルギー反応を阻害するということだと思います。

でも著者が書いているのはかゆみだけであり、アトピーの炎症に関しては書いていないようです。ステロイド(外用薬)は抗炎症作用、つまり火事の火消しの役割を担っていて、私の経験では炎症が治まると痒みも同じく治まってきます。
そして著者は続いてその他の副作用もたくさん、まるで添付文書をそのまま読んでいるように私には思えてしまうのですが、その原因はステロイドが『肌から血管へ吸収されて脳に作用するためと言われています。』と書かれています。大げさすぎやしませんかね?アトピー患者は主に外用薬を使うので、副作用があっても頻度は低いはずだと思いますが薬剤的考察は書かれていません。
最後に『よくいわれるように、キトサンには副作用が見られません』と書かれています。うーん、これはまだ副作用が報告されるくらい使用例が少ないか、医薬品ではないのでそういう調査がないのではないでしょうか。いずれにせよ、これはちょっと言い切りすぎではないかなと。

著者が書いているのはアレルギー作用で、他にもその作用機序で関連する皮膚以外に胃炎にも説明がありました。理論的には正しいと思えます。その調査データや良くなったという体験談(悪くなった体験談は載っていませんでした)もあるのですが、この本が出されてから10年近く経ってアトピーの治療の主役になっていないし、医薬品になっていないところを見ると、理論的にはともかく謳っている効能が実際にはどうなのかは分からないというのが正直なところです。

 
■本レビュー  現代書林 (2000/05)
 
 

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『間違いだらけのアトピー治療』 竹原和彦

11月 23, 2009

私がテキストとしている竹原ドクター(金沢大学皮膚科教授)の本です。本を読んで付箋をつけた箇所がたくさんあります。まずこの本を読んで、私がさっそく実行したことが1つあります。

1月前の10月22日(木)に薬屋で白色ワセリンを買ってきて、ほぼ毎晩寝る前につけていましたが、昨晩から止めました。私の手指の皮膚荒れは、特に今は悩みはありませんので。ただし日本皮膚科学会の治療ガイドラインにはアトピー再発予防のためにスキンケアの必要性が書かれていますが、それをスベスベするまでに回復した皮膚にまで行う必要性を感じないというのが竹原ドクターの考えのようです。竹原ドクターの原則はこうで、またやりたい人は保湿を続けても特に問題はないようです。

正常の皮膚には保湿は不要で、軽症の皮膚に保湿薬入りの外用薬を使用するのが効果的な治療法。(p129)

まあ、例えまた皮膚荒れが起こっても早めに対策をすればいいので不便は感じません。私は前に書いたように、薬を使わない私自身のオマケの保湿方法を毎晩代わりに行うことにしました。
(補足 11/29のブログに訂正しましたが、引き続き保湿剤を使い続けることにしました。私は乾燥肌ですので皮膚に乾燥が見られれば使っていくことにします。)

アトピーの基本的な考え方が冒頭に書かれており、その中でアトピービジネスの論破が参考になりました。

アトピー性皮膚炎における体質改善を謳ったいろいろな治療法があります。しかしそれらは科学的根拠に基づくものではないのです。(p29)

また、アトピー性皮膚炎は、皮膚の表面においてのみ炎症が起こりかゆい湿疹が起こる病気である。何かが体の中からしみ出してきて起こる病気ではない。(p29)

私はアトピー性皮膚炎の治療を「火事の消火活動」に例えることが多いが、体質を変えて欲しいということは大火事になっている状態の家に大して、「外から火を消すよりも先に家の中に入って火事の原因を追究しないと本物の消火活動とはいえない」と主張しているようなものだ。(p29)

明瞭な論理立てだと思います。例えば昨日ご紹介した排泄不全説は一見もっともらしく、アトピー以外の他の疾患にもパッと見で説得力を持ちそうですが、科学的根拠は書かれておらず推測ですね。
著書の他のページにも書かれていますが、アトピーの特殊療法が本当に役立つものなら学会に発表されてそれがもう標準になっているはずですね。

私自身の関心事の1つは、今は私のアトピー性皮膚炎はブログ冒頭にも書いた通りですので、アトピー患者への商品の売り込み方法があります。それらは考えてみると医学的な適切さを欠いており、また例えそうであっても東洋医学の漢方や鍼灸のような西洋医学的説明がつきかねても(またそれらも玉石混合です。)ある程度の効果があるのならまあいいのですが、売らんかなの姿勢がありありと背後にあるものです。
 

■本レビュー  新潮社 (2005/10)

 
 

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『アトピーが消えた!』 逸村 弘美 (著), 笛木 紀子

11月 23, 2009

『自然』を売りに書かれていて興味もった人は著者が経営する、アトピーくらぶ【れのあ】で食品、化粧品を買うのだろう。そういった商品の粗利率は高い傾向にある。

神田昌典の『企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法』(2002年)には、例えば伸びている健康食品・化粧品メーカーでは粗利率が9割もあるところがあるらしい。(p222) また神田氏の同書には、売り方でこういった発想があります。

例えば、桐タンスの売上増に悩む会社が、次の3つの顧客ターゲットを直感的に書き出したとしよう。
1.アトピーに悩む人
2.桐タンス保持者
3.これから結婚する人

売り手の言い分ですね。

アトピーくらぶ【れのあ】を経営する元エステティシャンの著者・笛木紀子と、アトピーだったという編集者が笛木氏と出会ってアトピーが改善したとを書かれています。表紙や挿絵はかわいいウサギの絵が多く、エッセイ調で書かれていて、とっつき易い感じです。アトピー関連商品の価格はお手軽とはいいにくいのですが、ホームページで見ると。最低限でも数千円単位の買い物になるのでしょう。

著者が言うのには、アトピーの原因は自然治癒力を高めることであり、自然食を体に入れて不要なものを排泄すればいいのだそうだ。そして排泄を促すため、血行をよくするために歪んだ骨を整えるそうだ。 一見まともな当たり前のことを言っているようですが、それをアトピーの原因に限定するのは行き過ぎのように思えます。 別にそういった生活を送っていない人みんながみなアトピーになるわけではありませんし。あくまでも私自身の体験になりますが、毎日のようにインスタント食品を食べて、一晩中ずっと起きて午前中に寝るという、お勧めできない生活をしていましたが、アトピー悪化に関係することは特にありませんでしたから。

この本のキーワードとしては『自然食』『姿勢』の他には、『マッサージ』、『身土不二(今で言う、地産地消の考え方)』『陰陽(漢方の考え方)』『灸』『炭(すみ)』『トルマリン』『マイナスイオン』などがあります。身体によさそうな言葉ですね。また、睡眠をきちんととろうという、排泄と同じようなちょっと考えれば当たり前の日常生活の指導もあります。
一方、著者は冒頭でステロイドを歓迎していません。他にもプロトピック軟膏と思われる記述がありますが、この薬は確かに免疫抑制剤なのですが外用薬は内服薬と違って全身に作用することはないはずです。

現在は、アトピーには免疫抑制剤が主に使われているようですが、読んで字のごとく、免疫を抑制する薬なので、ニキビがひとつできても免疫力がなくて押さえることができず、ニキビが増え続けたりすることもあるそうです。大切な免疫が押さえられてしまうのですから、何が起きるか非常に不安なところです。(p24)

 
また余談的になるのですが、著者の本には漢方の考え方の内容が書かれていますが(漢方薬そのものが書かれているわけではない)、現在漢方の本家の中国では漢方は補助的に使っているようです。竹原和彦ドクターの『間違いだらけのアトピー治療』の記述です。

しかし私が、皮膚科で漢方薬を専門としている大学教授や、日本の医薬品としての漢方薬販売メーカーの研究者、中国の皮膚科専門医に聞いたところ、漢方薬はあくまで補助療法であり、更にその効果は数日から一週間以内に現れるとのことであった。従って、明確な効果が1ヶ月以内に確認されない場合は、中止すべきとのことであった。(p130)

 
アトピーは最終的には自然治癒をしていき、また老人のアトピー患者がまずいないように一般的には年齢とともになくなってくるものだから、アトピーが改善したという元編集もそういう可能性があります。そのことについては本では触れられていませんが。 また私自身の体験になりますが、私がずっと不健康な生活をしていたわけでなくて早寝早起きをして、食品もインスタントを極力とらず、某整体で身体のズレの考え方を試していた時期もありましたが、今思えば特に改善したとは思いません。その時は改善していっているとも思いましたが、実はステロイド外用薬も塗っていましたので、薬が働いていたのでしょう。

基本はアトピーの標準療法の考え方のである、症状に応じてステロイド外用薬と保湿剤を適切に使っていくという方法ですね。

 
■本レビュー  ベストセラーズ (2002/05)

 
 

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今週を振り返って 2

11月 22, 2009

アトピーに悩まされている方はせっぱ詰まっており、ともするとどんな方法でもいいから、民間療法でもいいからとにかく治して欲しい、という心持ちに至るものかもしれません。

アトピーの標準療法を単純化してしまうと、
①症状に応じてステロイド外用薬を使って行く。要は火消しですね、ステロイドは。
②ワセリンに代表される保湿剤で荒れた皮膚を保護する。
 そうすると酷くても、1月するかしないかのうちに大分改善されます。

③そしてアトピーの人は皮膚が荒れやすい体質だから、②のようにスキンケアを程度に応じて続けて行く。アトピーは自然治癒していくものだから、段々よくなっていく。

以上を、適切にやっていますか?
私の体験と、竹原和彦ドクターの本を照らし合わせていくと以上に集約されるはずです。

アトピーがおこる原因は、今のところよく分かっていないようです。元々アトピー性皮膚炎の語源がギリシア語の奇妙な、とらえどころが無い、という意味で(1933年にアメリカで提唱された)、その語源のとおり今もそのようです。

アトピー性皮膚炎に関して、私自身のアトピーは毎日寝る前にワセリンを塗っている程度のスキンケアは続けているものの、今の日常生活をおくる上で特に皮膚荒れはなく過ごせています。それでアトピー(標準)治療の詳細は、ステロイドをどのように症状によってまたは部位によって例えば私にはなかった顔の部位は、どう使い分けるかなどは興味がないことはないのですが、特に私が必要に迫られているわけではないのであまり気にしていません。手にとった本に書かれていれば読んでみようかという程度です。

アトピーは難病ではなく、原因はよくは分かっていませんが、適切な標準療法をやっていれば改善そして治っていくということですね。

私が医師になったのは1979年、今から20年以上前のことである。その当時アトピー性皮膚炎は、皮膚科医にとっても患者にとってもごくありふれた病気だった。
(p.v 冒頭 『こうして治すアトピー』 竹原和彦 2002年 岩波書店)

それは今もそうですね。

今の私の興味は、アトピーをとりまく玉石混合にあふれた情報に向いています。気になります。もし適切な情報を持って実行していれば、私が十年以上も手指の皮膚荒れのアトピーに悩まされることはなかったと思うからです。そしてアトピーの標準療法そのものの考え方自体は私が見て経験する限り難しいものではなく、それについて書いていくと多分繰り返しになると思います。でも大切なことだから、それも良しかなとも思います。

今はアトピービジネスのマーケッティングもどうやらあるようですので、あの手この手で購買意欲が注がれるようになっているのでしょう。アトピーでない人からすると別に必要ではありませんが、アトピーの皮膚荒れ、あるいは痒みに悩まされている必要を喚起される人からすると魅力的に映るのでしょう。

冷静になって考えてみれば、なぜ500円玉を回しただけで体質がわかるのか、また講習会なるものでどうやって「マイナスイオン」に変えるのか、いくら考えても理解不能だが、もともとアトピーという言葉の語源こそが「ワケわからん」という意味なのだから、徹底的にワケの分からないものであればあるほど治るような気がしないでもない。また、健康食品代1万円よりも、よくわからない「イオン交換料24万円」のほうが安いような気もする。なにしろイオンを交換するのだ。そのうえ料金が高ければ高いほど、これで治る、という期待も高まる。
(p141 『アトピーの女王』(雨宮処凛 2002年 大田出版)

 
 
 

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今週を振り返って 1

11月 21, 2009

今週末はいつもとは違い、復習をしてみたいと思います。
以下は、月曜から金曜までのタイトルです。

■基本に戻りませんか

■淡々と、アトピーのケア

■アトピーの原因は?

■なぜアトピーに大金を払い続けるのか?

■アトピー本を見る   『アトピーの女王』(雨宮処凛 2002年 大田出版)
 
  
私がアトピーについて書き始めたのは、私自身にアトピーを長年悩まされてきたからです。部位は手指が酷く、他には首がありました。その部位は私が20歳前後に発症し、10年以上続いてきました。最初の頃には皮膚科医にも行っていたのですが、その間に引越しをしたり職について手指に負担がかかったり、また行く皮膚科医も変わったりしました。一般には大人になるにつれて段々とアトピーは治ると聞いていましたので、私の場合には逆に酷くなっているのはどうしたら良いものかと思い悩んでいました。それでどうせ皮膚科に通っていても治らないのなら、行くこともないと諦めてしまいました。ステロイド外用薬なら薬屋でストロング程度の『ベトネベート』くらいなら1本1000円台で買え、医者に行って待つ煩わしさもないし、その方が安いのでは?と。

今私はステロイド外用薬と保湿剤を使ったステロイド外用薬の考え方をお勧めしていますが、前に書いたように私自身は結果的にステロイドを使わず、また民間療法に陥ることもなく、自分自身でほぼ改善させました。ほぼと書いたのはそれだけでは不十分で、およそ1ヶ月ほど前まで手指の皮膚は何度も、特に秋の乾燥している天気ではよく荒れていたのですが、ようやくこれもまた薬屋でワセリンと『ベトネベート』を買いました。3年近く振りに薬を使ってみました。ベトネベートの方は2回ほど使っただけで殆ど使っていませんが、ワセリンの方は夜寝る前に毎日、時に昼に塗るくらいで、1週間もしないうちにもう正常人といってもいいくらいの皮膚になっております。

しかし私のように全くステロイドを使わないという方法は例外的にお考えください。おまけ的なものです。私自身は今、ステロイドと併用してそのやり方をすればもっと効率的だったのではないかと思っております。このような殆ど薬を使わない経緯からそう言うのは矛盾しているかも知れませんが、こうお考えになればいかがでしょうか。アトピーの皮膚炎は火事で、ステロイドは優れた消化剤だと。

アトピーの治療自体は竹原和彦ドクターに代表されるアトピーの標準療法の(つまり日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎治療ガイドラインに沿った)考え方の、一般でも読みにくくない本を参考にされればいいと思いますし、その基本に沿って充分に説明しもらえる皮膚科医に行くことが理想的だと思います。竹原ドクターの著書にもあるように、『遠くの名医より近くの良医』(『こうして治すアトピー』 p143)だと。

ただ、私の体験から医師が充分に説明できる時間があるかどうかと、そこが疑問です。こちらから質問をすればまず普通は説明してもらえると思いますが、たとえばアトピーに対する誤解を持ったアトピー患者ならずっと誤解のままになりはしないかと。こう書くとまた誤解を招くかもしれませんが、第一に医師が何十分も一人のアトピー患者に時間を割いて経営が成り立つのかと単純に思ってしまいます。アトピーに必要なのは、治療自体は難しくなくても、説明が重要だと思うのですが、こう考えるとアトピー患者にも医師にとっても好ましいものではないと思います。

今のところ言えるのは、アトピー患者も適切な学習が必要かと思います。竹原ドクターの著書にまた戻りますが、『こうして治すアトピー』では最初の20ページほど読むと、大体のアトピー治療への概要はつかめると思います。 

 

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アトピー本を見る   『アトピーの女王』(雨宮処凛 2002年 大田出版)

11月 19, 2009

標準療法をアトピーの基本として、市販のアトピー本を見ていこうと思います。
私たちの周囲では、アトピーそのものよりも、アトピーの偏見による影響は無視できないものだと思います。実際に私自身、適切な標準療法の考え方を身につけていれば十数年も手指のアトピー(皮膚炎)に悩まされることは無かったのではないかと思うからです。

図書館の本棚でアトピー本をパッと見で、玉石混合といった印象があります。その比率は現時点ではなんとも判断がつきかねます。医師が書いた本の中には、竹原和彦ドクターのように分かり易くまたバランスのとれた内容という点から見ると、必ずしもそうではないと思います。書いていることは適切なアトピーの標準療法だと思うのですが一般から見ると読みにくい印象だったり、またはコラム調で砕けて書かれていてやや軽すぎはしないかしら、という印象を、これもパッと見ではありますが受けました。

そんな本の中で一冊目は患者側の立場で、アトピー情報に振り回されたそれまでの生い立ちが書かれている『アトピーの女王』(雨宮処凛 : あまみやかりん)を見てみます。これは特定の商品の宣伝でもありませんし、特にアトピーの標準療法を紹介する本でもないのですが、アトピー以外でも本を出している作家の著者は別に感動モノに持っていくこともなく何て言いましょうか、娯楽性があり西原理恵子っぽく逞しく生きている姿勢を感じました。

著者はホームレスが販売する雑誌『ビッグイシュー』でコラムを書いているので私は以前から知っており、以前テレビを何気なくつけると小林克也が司会をする『詩のボクシング』という番組で審査員をしていたりで、異才を持つそれなりの知名度を持った著者がどうアトピーを書いているのか私は興味があり、実は3年ほど前に一度読んだんですね。これで特にアトピー緩和に役には立ちませんけれど、この本は特にアトピー標準療法、あるいは特定の治療について書かれた本ではありませんのでそこをご了承下さい。

著者自身のアトピーは現在どうなっているかは気になるところなのですが、写真で顔のみを拝見する限りでは特にアトピーは見られませんでした。改善されているのかもしれません。それ以後著者はアトピーについての本は出されていませんし、そういう著者の作品は見たことがないので何ともわかりません。ただエンターテインメントに富んだ本でありながら、幼少の頃から家族ぐるみでアトピーの情報に振り回される体験談が真面目に書かれています。 
 

 

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なぜアトピーに大金を払い続けるのか?

11月 19, 2009

私自身は某整体術で、この皮膚荒れは(アトピー)は体の歪みから来ている、と言われお金を払ったことがあります。時間もお金も決して少ないものではありませんでした。それ以外では他には特に試したことがなく、健康食品やアレルギー向け布団など買ったことはないのですが、ブログのタイトルにあるようになぜアトピーに数百万円単位のお金を払うのか?払い続けるのか?そしてそれらに効果があるかないか分からないまま、または余計に悪化しているのに何年も時間を浪費するのか?アトピーになった人の心理状態を、かつての私も含めて考えたいと思います。

今回も、金沢大学皮膚科教授、日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドラインの委員の、竹原和彦ドクターの著書『こうして治すアトピー』(岩波書店 2002年)から、そうしたアトピー患者の心理を見ていきましょう。

竹原氏は、日本最初のアトピー裁判で鑑定書を書いた医師です。それはアトピーエステ裁判と言われ、20台前半の女性がエステに通いそのエステでアトピーを発症させ、ましてエステ側からエステを続ければアトピーが改善するように言われ大金を支払ったそうです。

著書で、原告がエステ施術を中止できなかった心理的側面が書かれています。
①ステロイド外用薬使用に対する恐怖感
②アトピー性皮膚炎に対するコンプレックスと施術への願望
症状悪化期間についての患者心理
社会生活からの隔絶
⑤症状悪化による正常な判断能力の低下
(p124ころ)

私が特に気になったのは、③と④です。竹原氏はこのように解説されています。
③のアトピーになっている期間は、
『こんなに苦しい・・・』 『こんなに高い・・・』
と繰り返し思い、その期間を無意味なものに考えたくない。
④では精神的依存つまり、この人たちの言うことを信じないと生きていけないという心理状態に追い込まれる。

昨日図書館に行くと、医学ジャンルの棚にアトピーの本が何冊も並んでいました。アマゾンの和書でも検索してみると769件出てきました。多いですね。著者の中には、医師も含まれています。かつて私が聞いたのは、掻いて治すアトピー、脱ステロイド、他に脱軟膏などの考え方です。もちろんアトピーの標準療法を言われている医師の本もあります。

次回から、それらの本をアトピーの標準療法に照らし合わせて見ていきたいと思います。
 
 

 

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